硬度って何?

硬度って何?
硬さとは「変形やキズにあらがう力」のことを意味しています。 つまり変形したりキズつきにくい方の物質が「硬い」ということになります。
写真 | 例えば上の写真は、 「ロックウェル硬さ」という基準で HRC 64 の硬さを持つスチールのベアリングボールをが HRC 33 のスチール板につけた「へこみ」を写したものです。 硬度が高いベアリングボールの方には変形は見られません。 |
硬さは 2 種類の基準で示すことができます。
耐ひっかき性 | 引っかきに対する抵抗力 |
---|---|
耐押し込み性 | 圧力による押し込みへの抵抗力 (ダイヤモンドビット等) |
モース硬度 (耐ひっかき性)
モース硬度は鉱物の硬さを表すもので、基準となる鉱物 (10 種類) の「ひっかきにくさを」1から10までの数字で示したものです。 一番柔らかい滑石が硬度 1、一番硬い鉱物ダイヤモンドが硬度 10 となり、 硬度が違う鉱物同士をぶつけると、より柔らかい鉱物にキズができます。










それぞれの中間の高度ははっきり決められていません。 スチール鋼はどのようなものでも、モース硬度の 4〜5 に分類されてしまうため、 モース硬度は工業材料などの基準としてはあまり役に立たないことから、 「押し込み硬度」の方がよく使われます。
押し込み硬度とは
押し込み硬度は、試験材料に硬い物体 (ダイヤモンドなど) を押し込み、そのくぼみを測定して、出される数値のことです。 押し込み硬度試験の代表的なものとして、 ブリネル硬さ、ビッカース硬さ、ロックウェル硬さがあります。 それぞれの詳細については下表をご覧ください:
ブリネル (HB) | ビッカース (HV) | ロックウェル (HRC) | |
---|---|---|---|
圧子 (押し込む物質) |
10mm スチール製 ボール |
頂角136°の 正四角錐ダイヤモンド |
頂角120°の 円錐ダイヤモンド |
加える力 | 3000 kgf | 0.5〜50 kgf | 150 kgf |
測定したもの | へこみの面積 | へこみの面積 | へこみの深さ |
速度と難易度 | ★☆☆ | ★☆☆ | ★★★ |
この 3 つが使われるのはなぜ?
この 3 種類の試験が現在でも広く使われいるのは、それぞれに長所と短所があるからです。
- ブリネル硬さは、様々な材料と硬度に使えますが、できたくぼみを真上から見て、3 トンもの力を加える必要があるのと、くぼみの淵の円の直径を顕微鏡などで測る点が不便です。
- ビッカース硬さは、かける力に関係なく、同じ深さのへこみを作ることができ、硬い材料も測定できますが、 やはり顕微鏡などでくぼみの面積を測る必要があるため不便です。
- ロックウェル硬さの長所は、簡単にすぐ測定できることです (20〜30 秒)。結果もすぐ試験装置に表示されます。
非破壊検査とは?
いずれの試験も対象物を破壊することなく、 表面に小さなへこみがつく以外、大きなダメージを受けません。 これにより実際に使う材料にも試験ができるため、 試験材料を破壊する強度試験に比べ、大きなメリットがあります。
よくある質問:
Q: 硬度と強度には何か関係があるのですか?
A: 実はこの二つには密接な関係があります! 詳しくはこちらのブログ記事をご覧ください。
その他関連トピック
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